NVIDIA GeForce RTX 3060 LHR第1世代のマイニング制限解除ドライバ「470.05」は本当に制限を突破できるのか検証してみた

NVIDIA GeForce RTX 3060 LHR第1世代のマイニング制限解除ドライバ「470.05」は本当に制限を突破できるのか検証してみた

NVIDIAが誤って公開してしまった「GeForce Driver 470.05 開発者用ドライバ」を使ってGeForce RTX 3060(LHR 第1世代)のマイニング制限が解除できるのかどうか検証してみました。

※2021年5月頃以降に販売されているGeForce RTX 3060(LHR 第2世代)ではご利用いただけません。
※また2022年5月時点でNiceHashにてLHRの制限突破が行われており、こちらのドライバーを利用せずともマイニング制限を突破可能です。

 

マイニング制限を突破する条件

まず初めにRTX 3060でマイニング制限を突破する場合、以下条件が有り少々厄介なものとなっています。

  1. GeForce RTX 3060を入手する
  2. GeForce Driver 470.05 開発者用ドライバを用意する
  3. ディスプレイに出力する(HDMI/DPで確認) or HDMI出力偽装用アダプタを1個用意する
  4. PCI Express 3.0 or 4.0の×8接続か×16接続

特に「3.」の項目と「4.」の項目が厄介で、マイニングリグの挿し方そのものを変える必要が出てくる可能性がある(PCIe 3.0 or 4.0の×8/×16接続でないといけないため)点にご注意を。

※マザーボードの全スロットをPCIe 2.0/3.0の×1接続のライザーで接続しているとRTX 3060のマイニング制限を突破することはできないため。

 

 

RTX 3060を入手する

RTX 3060の入手性は発売直後は簡単だったものの「マイニング制限が突破できる」という記事が広がったせいか突如姿を消しました

しかし「Amazon.co.jp」「楽天市場」「Yahooショッピングモール/PayPayモール」でもまだ一部商品が残っているため入手性はまだマシです。

 

 

GeForce Driver 470.05 開発者用ドライバを用意する

「GeForce Driver 470.05 開発者用ドライバ」は様々な所にミラーされているため入手は容易かと思います。

※2021年5月17日:RedditのDropboxのリンクが切れていたため新たに追記しました。

 

 

 

RTX 3060からディスプレイを出力する or HDMI出力偽装用アダプタを用意する

RTX 3060では実際にディスプレイ出力をさせておかなければいけない or ディスプレイを出力していると勘違いさせないといけないため、当方は「HDMI出力偽装用アダプタ」を用意することにしました。

※マイニングPC(RTX 3060経由)をディスプレイに出力させる場合は「HDMI出力偽装用アダプタ」は必要ありません。

 

 

 

当方はRTX 3060用にと言う訳ではなく「Pentium G6400のオンボード出力を偽装する(でないとリモート画面が真っ暗)」という用途にも利用したかったため「HDMI出力偽装用アダプタ×3個セット」を購入しました。

1個単位で買うよりかは2個、3個とセットで買ったほうが1個当たりの単価は下がります。

1個で十分という方は1個単位でも販売されています。

 

 

 

HDMIおよびDisplay Port経由のみディスプレイ出力でマイニング制限の解除を確認

@mimikaki_dashさんによると実ディスプレイへの出力で「HDMI出力」および「Display Port出力」でマイニング制限の解除を確認されたとのこと。

当方では「HDMI出力偽装用アダプタ」のみの確認だったため、ご報告に感謝致します。

 

 

PCI Express 3.0/4.0の×8接続 or ×16接続が必要

ここが1番の厄介ポイントではありますが「PCI Express 3.0/4.0の×8接続 or ×16接続」を行う必要があります。

 

 

マイニングリグを組んでいる方の多くは「PCI Express 2.0/3.0の×1 ライザーカードを複数本用意し、接続していることが多い」ため、RTX 3060ではこの方法は利用できません(マイニング制限を解除するにはPCI Express 3.0/4.0の×8接続 or ×16接続が必須なため)

またマイニングリグは「ライザーカード使用前提のグラフィックカードの固定」のため、マザーボードにRTX 3060を固定し出力を行うといった運用方法は向いておらず、PCケースやまな板でマイニングリグを組んでいる方の方が難なく組付けが行えるはずです。

 

当方は倉庫に仕舞ってあったPCI Express 3.0×16 to×16用のライザーケーブルを使用し、RTX 3060を接続することに。(お陰でせっかく配線したマイニングリグをバラす羽目に…)

 

 

RTX 3060をライザーカード経由(PCIe 3.0×1)接続で検証

念のためRTX 3060(470.05制限解除ドライバ)をライザーカード経由(PCI Express 3.0×1接続)で接続してみましたが、マイニングの制限を突破できず「NBMiner/DaggerHashimoto:21.675 MH/s」というGTX 1060 6GB相当のハッシュレート並み(18~22 MH/s)でした。

分かり切っていたことですが、これがRTX 3060に課せられたマイニング制限というものなのでしょう。

 

 

 

PCIe 3.0×16接続で再検証

倉庫に仕舞ってあったPCI Express 3.0×16 to×16用のライザーケーブルを使用し、RTX 3060を接続

当然のごとくドライバーは470.05制限解除ドライバを使用し、「HDMI出力偽装用アダプタ」を取り付けて検証を行いました。

 

結果から言えば大成功で「NBMiner/DaggerHashimoto:21.675 → 41.187 MH/s」本来発揮すべき性能が出ていることが確認できました

 

 

RTX 3060をOCしてハッシュレートの向上を確認

RTX 3060をオーバークロック(Power Limit:100%、コアクロック:-150MHz、Memory Clock:+900MHz)してみると「NBMiner/DaggerHashimoto:41.187 →  46.252 MH/s」に上昇しており、オーバークロックの恩恵を受けられていることを確認いたしました。

別記事のコメント欄でオーバークロックとは云々言ってくる方がいらっしゃったのであえて記載しておきますが、「コアクロックはダウンクロックさせているものの、VRAMをオーバークロックさせているためあえての記載」となります。

 

 

なお上記設定は最適解ではなく、以下サイトが良さそう。

Power limit: 65%
Core Clock: -400 MHz
Memory Clock: + 800 MHz
Fan Speed: Auto

Power Limitを掛けることで大幅に消費電力、発熱を落とす事が出来るためこちらの設定がお勧め。

 

 

 

RTX 3060はRTX 2080 SUPERやRX 5700に近いハッシュレート

RTX 3060をオーバークロック(Power Limit:100%、コアクロック:-150MHz、Memory Clock:+900MHz)してみると「NBMiner/DaggerHashimoto:41.187(定格) →  46.252(OC) MH/s」といった数値が出ているところから、RTX 2080 SUPER(42 MH/s)、Radeon RX 5700(54 MH/s)に近いハッシュレートで掘ることが出来ているため、買い漁られている理由の1つなのでしょう。

 

 

 

RTX 3060をマイニング用にするにはやや面倒

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RTX 3060の接続方法(PCIe 3.0/4.0の×8接続 or ×16接続が必須)やディスプレイ出力 or ダミーによるHDMI出力偽装アダプタが必要になる点がネックとはなりますが、手に入れやすく且つ効率もそこそこ良い、発熱しにくい、消費電力が低い(補助電源が8ピン×1 or 6+8ピン×1)ということを考えれば十分アリなグラフィックカードなのではないでしょうか

 

今回使用したものは以下より

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