4コア8スレッドCPU、eDRAM搭載Iris Plusを内蔵した超小型PC「MINISFORUM U820」をチェックする #MINISFORUM #U820 #UMPC #NUC

4コア8スレッドCPU、eDRAM搭載Iris Plusを内蔵した超小型PC「MINISFORUM U820」をチェックする #MINISFORUM #U820 #UMPC #NUC

先日MINISFORUM様よりIntel Core i5-8259U/16GB/256GB NVMe SSD/Win10 Pro/Intel AX200/2.5Gbps LANを搭載する超小型PC「MINISFORUM U820」の提供を受けましたので、簡単にレビューを行っていきます。

 

仕様一覧

 

メーカー MINISFORUM
型番 U820(i5-8259U/16GB+256GBタイプ)
CPU Intel Core i5-8259U 2.3~3.8GHz(4C8T/6MB/14nm/第8世代Core iシリーズ/Cofee Lake-U)
※詳細
CPUファン 搭載
グラフィック Intel Iris Plus Graphics 655(300~1.05GHz)
eDRAM 128MB
チップセット Intel
RAM Kingston DDR4-2666 8GB×2枚 計16GB(PC4-21300)
SODIMM×2スロット(内2枚使用、空きスロット無)
※最大32GB迄、CPUの仕様上DDR4-2400で動作
HDD 2.5インチスロット×2(SATA1/2/3対応)
SSD Kingston 256GB OM8PDP3256B-A01(M.2 2280/NVMe/PCIe 3.0×4)
外部出力 計:3系統
HDMI 1.4a×1ポート(4K@30Hz)
Display Port 1.2×1ポート(4K@60Hz)
USB Type-C×1ポート(4K@60Hz)
シリアルポート 非搭載
Wi-Fi Intel AX200搭載済(M.2 2230、交換可)
※アンテナ類配線済
Bluetooth Bluetooth v5.2
有線LAN 計2系統
RJ45×1ポート(10/100/1000 Realtek Gigabit Ethenet)
RJ45×1ポート(10/100/1000/2.5Gbps Intel I225-V Gigabit Ethenet)
OS Windows 10 Pro 64bit(Ver 20H2)
マイク 内蔵
スピーカー 非搭載
電源 USB Type-C(19V/3.42A 計65W)
※形状はUSB Type-Cですが、専用のAC
VESAマウント 100×100 or 75×75mm
サイズ 幅:127 × 奥行:127 × 厚:53.1 mm
重量 約1.32g(最大構成時)
インターフェース 本体前面:電源ボタン(LED内蔵)、3.5mmイヤホン出力、USB 3.2 Gen1×2(10Gbps)=計2ポート、USB 3.1 Gen1 Type-A(5Gbps/Powered USB・常時給電/DP Altモード対応)=計1ポート
本体背面:USB Type-C電源、HDMI 1.4a、Display Port1.2(4K 60Hz出力対応)
保証 メーカー1年間保証
公式URL Amazon.co.jp
メーカー公式販売ショップ

 

Intel製の第8世代のノート用CPU「Core i5-8259U 2.3~3.8GHz(4コア/8スレッド)」、Intel Iris Plus 655(eDRAM 128MB内蔵)、DDR4-2666 8GB×2枚 計16GB(スロット×2)、M.2 2280 NVMe 256GB、2.5インチ空き×2(SATA1/2/3)、Intel AX200 無線LAN(Wi-Fi6/Bluetooth v5.2)、Intel製有線LAN I225V LAN(10/100/1000/2.5Gbps)、Realtek 有線LAN Gigabit LAN(10/100/1000Mbps)、Windows 10 Pro 64bit(20H2)といった拡張性に富んだ小型PCとなっており、付属のVESAアダプターを使用することでディスプレイの背面に固定し、置き場所を減らしつつ作業が行えるPCとなっています。

Intel Core 第8世代とは言えグラフィック周りはIris Plus 655(eDRAM 128MB)を搭載しており、ノートPC向けの中ではほぼ最上位に近い3Dグラフィック性能を誇るオンボードグラフィックを内蔵

メモリスロット×2(DDR4-2666)、2.5インチSATA×2スロット、Intel AX200(Wi-Fi 6/Bluetooth v5.2/M.2 2230 交換可)等拡張性を併せ持った設計となっています。

電源はACアダプタ経由となり、形状はUSB Type-Cなもののほぼ専用の19V/3.42A(計65W)となります。

 

 

 

パッケージおよび付属品一覧

パッケージサイズは非常に小さく、置き場所にも困らないサイズ感

パッケージ裏には詳細なスペック類が記載されています。

 

付属品一覧

「MINISFORUM U820」本体
・取り扱い説明書(マルチランゲージ、日本語有)
・保証カード
・VESAマウント用固定金具
・ACアダプタ(コンセント→USB Type-C、19V/3.42A)
・ACアダプタ用メガネケーブル
・HDMI to HDMI 1mケーブル
・2.5インチドライブ固定用ネジ類

HDMIの出力ケーブルやマウントアダプタ等が同梱されており、ディスプレイとキーボード、マウスを用意すれば必要最低限利用できるようなセットとなっています。

 

 

 

サイズ感

本体サイズは「幅:127 × 奥行:127 × 厚:53.1 mm」、重量は「約1.32g(最大構成時)」となっており、机の上に置いても邪魔にならないサイズ感となっています。

比較用にiPhone 12 Proを置いてみましたが、「MINISFORUM U820」の小ささがお分かりいただけるでしょうか。

 

 

 

本体前面インターフェース類

左から

・マイク
・USB 3.2 Gen1×2=×2ポート(10Gbps/DP Alt対応)
・USB 3.2 Gen1×1=×2ポート(5Gbps)
・3.5mm AUX出力
・電源ボタン(青色LED点灯)
・CMOSクリアボタン

となっています。

前面のUSB Type-Cからディスプレイ出力(4K@60Hz)が可能な「DP Altモード」に対応しており、VESAマウント取付でケーブル類の取り回しが行いにくい際に重宝しそうです。

 

 

 

本体背面インターフェース類

広告

左から

・USB 3.2 Gen1×2×計2ポート
・Display Port 1.2(4K@60Hz)
・HDMI 1.4a(4K@30Hz)
・RJ45×1(Realtek Gigabit Ethernet(10/100/1000Mbps))
・RJ45×1(Intel I225-V(10/100/1000/2.5Gbps))
・USB Type-C電源ジャック(付属ACアダプタ用19V/3.42A専用、データ結線無)

となっています。

ディスプレイ出力はDisplay Port 1.2×1ポート、HDMI 1.4a×1ポート、前面のUSB Type-C×1ポート(DP Altモード)から最大3画面の同時出力に対応。

4K@60Hz解像度に対応するディスプレイ出力は「Display Port 1.2およびUSB Type-C」のみとなり、汎用性の高い「HDMI 1.4a」は4K@30Hzになってしまうのがやや残念なところ。

有線LANは2ポート搭載しており、片方が最大2.5Gbps(Intel I225-V)、片方は最大1Gbps(Realtek Gigabit Ethernet)となっているため、通常より高速なネットワークの構築にも対応しています。

 

 

 

本体上面

本体上面には内部にアクセスするラッチが2カ所有り、赤い指の色が記載された部分を押すことで、上蓋を取り外すことが可能です。

 

上蓋取外し後

上蓋は計2カ所のラッチで固定されており、固定を取り外すことで2.5インチ×2台スロットやメモリスロット、M.2 2280(NVMe/PCIe 3.0×4)スロットにアクセスできる様になっています。

 

 

 

本体裏面

本体裏面には「本体型番(U820)」や「シリアル番号」、各国認証情報(CE、FC、技適:R003-190022)やACアダプタの電圧(19V/3.42A)等が記載されていました。

 

 

 

ACアダプタ

型番: PS1065-190T2B342
入力: 100-240V~50-60Hz 1.8A
出力: 19V=3.42A(最大64.98W)
形状: メガネケーブル to USB Type-C

 

ACアダプタのサイズ感

ACアダプタはiPhone 12 Proよりやや小型で、65W供給のものとしてはLenovo製のACアダプタと然程変わらず、特段大きくも小さくもありません。

 

ジャック口

ACアダプタは最大65W迄供給可能な「PS1065-190T2B342」19V/3.42Aが採用されており、ジャック部分は「USB Type-C」となっています。

残念ながらUSB PD等の記載はなく、出力も「19V=3.42A(最大64.98W)」のみの記載となっているためジャック口が「USB Type-C」なだけで、互換性のない専用の電源用端子の模様です。

 

通電用LED搭載

ACアダプタ上部には緑色の通電用LEDが搭載されており、通電状態を確認することが可能です。

 

 

 

本体内部

本体上部の蓋を取り外すと2.5インチ×2台スロットやメモリスロット、M.2 2280(NVMe/PCIe 3.0×4)スロットにアクセスが可能です。

但し2.5インチスロット×2台の金具はプラスドライバーが必要となり、ツールフリーではありませんでした。

 

2.5インチスロット

2.5インチスロットはネジを1本取り外すだけで分解が可能で、2.5インチ×2台分のSATA3端子とSATA電源がマザーボードに専用のLIFで接続されているため、慎重に作業しましょう。

 

専用LIFケーブルでマザーボードと接続

2.5インチ×2台分のSATA3端子とSATA電源がマザーボードに専用のLIFで接続されています。

マザーボードに固定されている端子は比較的壊れやすいため、当方は取り外すことなく避けて作業を行いました。

 

 

 

メモリスロット

広告

メモリスロットは「DDR4-2666 8GB×2枚」が搭載されており、計16GBのデュアルチャンネル仕様でした。

 

メモリはKingston製

メモリはKingston製のDDR4-2666 8GB×2枚「CBD26D4S9S1ME-8」を搭載しており、Micron製の「D9ZFW」が採用されていました。

メモリは片面実装で裏面にメモリチップは非搭載。

 

CPU-Z(メモリ)

CPU-Zでメモリ詳細を確認したところ、メモリチップに記載通り「Micron」製の「CBD26D4S9S1ME-8」であることを確認。

 

 

 

M.2 2280スロット

M.2 2280(NVMe/PCIe 3.0×4)スロットにはKingston製の256GB SSD「OM8PDP3256B-A01」が搭載されており、容量には心許ないものの必要十分な製品が搭載されていました。

SSD自体はネジ1本で固定されており、必要に応じて誰でも簡単に交換が可能です。

 

因みにOS等は本SSDに搭載されておりますが「Windows 10メディアクリエイションツール」Windows 10インストールUSBメモリを作っておけば、新しいSSDでWindows 10を新しく入れることが可能です。

Windows 10のライセンス類もBIOSに内蔵しているため自動認証となり、「MINISFORUM U820 Download」からドライバー類を入れることでSSDの入れ替え、新規OSインストール作業が簡単に行えます

 

CrystalDiskInfo

初起動時から電源投入回数(5回)や使用時間(2時間)がカウントされていたため、ある程度の動作チェック類は出荷時に行われている模様です。

 

CrystalDiskMark

シーケンシャル読込 約2550MB/s、シーケンシャル書込 約1270MB/s、ランダム4K読込 約57MB/s、ランダム4K書込 約190MB/sNVMe 1.3(PCIe 3.0×4接続)らしいパフォーマンスを発揮しており、OSの起動も15秒~20秒前後で起動する辺り、大変快適でした。

 

 

 

無線LAN M.2 2230スロット

無線LAN M.2 2230スロットにはIntel製のAX200(Wi-Fi 6/Bluetooth v5.2)が搭載されていました。

最新のWi-Fi 6やBluetooth v5.2に対応したものが搭載されているため、性能的に物足りないと感じることはまず無さそうです。

 

HWiNFO64

Intel製の無線LANチップ「AX200(2×2、160MHz)」が採用されており、最大866Mbpsで通信が可能です。

 

 

 

有線LAN

有線LANポートは計2ポート搭載しており、左側がRealtek製のGigabit Ethernet(10/100/1000Mbps)、右側がIntel製の2.5Gbps対応I225-V (10/100/1000/2.5Gbps)となっています。

基本的には右側の「2.5G LAN」と記載のあるポート(I225-V)でよいかと思われますが、安定性を重視する場合は左側のRealtek製のLANポートで良いかと思います。

 

 

 

CPU

CPUはIntel製の第8世代ノート用CPU「Core i5-8259U 2.3~3.8GHz(4C8T/6MB/14nm/第8世代Core iシリーズ/Cofee Lake-U)」を搭載しており、必要十分な「4コア/8スレッド」、通常のCPUよりも強力なオンボードグラフィック「Intel HD Graphics Plus 655(300~1.05GHz)、eDRAM 128MB」を搭載しています。

Intel系の弱点であったオンボードグラフィックの3D性能をeDRAM 128MBを追加で搭載することで3D性能を積み増しする事に成功しており、軽いオンラインゲームなどでしたら十分動くものが搭載されています。

 

CPU-Z(CPU)

Windows 10内蔵のタスクマネージャー表示を纏めてみました。

4コア/8スレッドの「Core i5-8259U 2.3~3.8GHz(4C8T/6MB/14nm/第8世代Core iシリーズ/Cofee Lake-U)」、DDR4-2666 8GB×2枚 計16GB(2枚搭載時はDDR4-2400動作)、Kingston製のM.2 2280(NVMe/PCIe 3.0×4) 256GB SSD、Intel Wi-Fi AX200(Wi-Fi 6/Bluetooth v5.2)、Intel 2.5Gbps LAN(I225-V)、Realtek Gigabit Ethernet、Windows 10 Pro 64bit(20H2)といったスペック。

 

 

 

OS

広告

OSにはWindows 10 Pro 64bit(20H2)が搭載されており、ライセンスはBIOSに内包されているため「自動的にライセンス認証がインターネット接続時に行われる」仕様のためユーザー側で何かをするといったことはありません。

この辺りは流石メーカーPCと言わざるを得ません。(自作PCではまず経験できないという)

 

 

まとめ

・コンパクト且つパワフルなスペック

CPUはオンボードとなるため交換は不可能ですが、必要十分な4コア、8スレッドの上位CPUが搭載されており、YouTubeの4K動画の再生支援やH.265(HEVC)の動画変換にも耐えうるeDRAM 128MB搭載のオンボードグラフィック「Iris Plus 655」、交換が可能なDDR4メモリスロット×2本、交換可能なM.2 2280 NVMe SSD、増設可能な2.5インチスロット×2、2.5Gbps対応有線LAN、WI-Fi 6/Bluetooth v5.2対応の交換可能なM.2 2230 AX200等パワフルなスペックに仕上がっています。

標準の状態でも十分利用できるスペックですが、大容量のSSDへの交換や、メモリを32GB以上に交換、データ保存用のHDD/SSDの増設などかなりの項目に渡ってカスタマイズが行える仕様のため長く利用できるPCとなっています。

 

・最新のWi-Fi 6/Bluetooth v5.2や2.5Gbpsの有線LANに対応

本製品のネットワーク周りではIntel AX200によるWi-Fi 6/Bluetooth v5.2やIntel i225-Vによる2.5Gbpsの有線LANに対応しているため、無線、有線問わず高速且つ遅延の少ないネットワーク環境の構築が可能です。

最近ではコロナ禍による影響で、テレワークによるビデオ通話やリモート作業、クラウド系サービス(OneDriveやiCloud)や動画配信サービス(Netflix、YouTube等)の利用頻度が増えているため、ネットワーク周りに余裕を持った設計が行われているのは1つの特徴と言えそうです。

 

・iPhone 12 Pro相当のサイズで邪魔になりにくい

ディスプレイ裏に固定できるVESAキットが付属品に含まれており、iPhone 12 Proに近い小型なサイズを生かしてディスプレイ裏に設置、もしくは机の上に設置することが可能です。

動作時の騒音も少なく、熱を周囲にまき散らすといったこともなかったためビジネス用のPCとしても十分使える製品と言えそうです。

 

・HDMIが4K@30Hz迄なのが勿体ない

本製品のディスプレイ出力は「Display Port 1.2×1ポート、HDMI 1.4a×1ポート、前面のUSB Type-C×1ポート(DP Altモード)」となり、4K@60Hz出せる端子は「Display Port 1.2、USB Type-C」のみとなります。

HDMI 1.4aは4K@30Hz迄となり、一番汎用性の高いディスプレイ出力端子がこれでは勿体ないと感じました。

 

・ドライバーのダウンロードする公式サイトが分かりづらい

レビューを書く上でドライバーが配布されているかチェックしていたのですが、型番で検索しても「公式販売サイト(ショップ)」が引っかかり、ドライバー類を配布している「公式サイト」が引っかかりづらく、ドライバー類を探すのに時間が掛かってしまいました

「公式販売サイト(ショップ)」「公式サイト」へのリンクがあれば良かったのですが、それがなく、わざわざ調べる必要があったためこの点は改善して頂きたいところ。

 

 

購入は以下より

メーカーPCカテゴリの最新記事