4,000円台で購入可能なApacer製の120GB SSD「AP120GAS330-JP」のパフォーマンスをチェックする #Apacer #東芝 #SSD #自作PC

NTT-X Storeにて4,000円程度で販売されている2.5インチ用120GB SSD「AP120GAS330-JP」の簡単なレビューを行っていく。

 

 

 

詳細なスペックは以下のとおり。

 

 

メーカー Apacer
型番 AS330シリーズ (AP120GAS330-JP)
容量 120GB
厚さ 7mm厚
SATAバージョン SATA3.0 (6Gbps)対応
コントローラー Phison PS3110-S10C
キャッシュ NANYA DDR3L-1600 256MB
(NT5CC128M16IP-DI)
シーケンシャル読込 495MB/s
シーケンシャル書込 385MB/s
ランダム読込 最大95,000 IOPS
ランダム書込 最大39,000 IOPS
NAND 東芝製 A19nm TLC NAND?
重量 約75g
保証 メーカー3年間
メーカーURL URL

 

AS330シリーズは120GB、240GB、480GB、960GBの計4モデルがラインナップされており、容量によりシーケンシャル読込、書込等のパフォーマンスが異なる

コントローラーはPhison製のPS3110-S10Cを採用しており、キャッシュはNANYA DDR3L-1600 128MBNANDは東芝製のTLCとなる。

 

最廉価価格帯に近い構成の割には東芝製NANDや、アルミ製の筐体、3年保証を採用している点は評価できる。

 

 

 

 

パッケージ及び付属品一覧

 

パッケージは日本向けのものに変更されており、表面にはシリーズ名の「PANTHER(パンサー)」と大きく記述されており、非常にユニークだ。

背面も日本語化が行われており、各容量ごとのパフォーマンスやサイズ、厚さ、NANDのタイプなどが細かく記載されている

 

 

店頭販売時にスペックを確認して購入することが出来るため、非常に良心的なパッケージとなっている。

 

 

保証は購入日より3年間となり、TLC NANDのSSDの中では他メーカーと同じ標準的なものとなる。

保証適用には購入日を示すレシートや納品書類が必要となるため、なくさないようパッケージ等に入れて保存することを推奨したい

 

 

付属品は「SSDのみ」となり、他メーカーに多いシールや7mm厚→9.5mm厚変換、2.5インチ→3.5インチ変換アダプターなども一切付属しない

購入する前に取り付けするPCが「2.5インチ、7mm厚対応」で有ることを確認した上で購入するよう注意して欲しい。

 

 

 

 

SSD外観

 

シリーズ名「PANTHER」と書かれたシールが表面に貼られており、裏面には型番及び製造番号が記載

パッケージのようにカタカナで「パンサー」と書かれていなくて一安心

 

 

 

 

SATA 3.0 (6Gbps)に対応

 

SATA部分には端子を守るためかゴムが取り付けられていた

SATA 3.0 (6Gbps)に対応しており、従来のSATA 1.0 (1.5Gbps)、SATA 2.0 (3Gbps)にも下位互換として対応している。

 

 

 

 

保証シール

保証シールはSSD側面に貼られており紙シールだった。

こちらのシールを破ったり剥がしてしまうと3年のメーカー保証対象外となるため、注意が必要だ。

 

 

 

 

分解

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分解レビューが少なかったため分解を行った。

SSD筐体には一切ネジは搭載されていないため筐体ははめ込みで、他メーカーのSSDに比べ分解の難易度が高かった

 

筐体は表裏共にアルミ製で、プラスチック類は使用されていない

但し基板と筐体の間には熱伝導シート類も搭載されていないため熱は殆ど伝わらないと思われる。

 

 

分解方法としては側面から赤丸部分にマイナスドライバーを入れ、浮かしていく

はめ込みのみとなっているため、軽く力を入れ突起部分をマイナスドライバーで押し込んでやれば浮いてくるはずだ

 

 

 

 

基板

 

基板サイズはハーフ以下で、以前分解したSanDisk製のX300に近いものを感じる。

NANDの枚数は想像していたより少なく、表2枚、裏2枚の計4枚で128GB(予備領域を含む)を実現しているようだ。

 

 

  

 

コントローラー Phison PS3110-S10C
キャッシュ NANYA DDR3L-1600 256MB
(NT5CC128M16IP-DI)
NAND 東芝製TLC THGLF2G8J4LBATD×4枚

 

NANDはメーカー名の記載はないものの、NANDの型番「THGLF2G8J4LBATD」と記載されており、型番的に東芝製である可能性が高い

キャッシュはNANYA製のDDR3L-1600 256MB (NT5CC128M16IP-DI)を採用している。

 

 

 

 

CrystalDiskInfo

CrystalDiskInfo 7.03を使用している。

2.5インチSSDでは対応していることの多い「S.M.A.R.T.、APM、NCQ、TRIM」等に対応。

 

 

ファームウェアのバージョンは「AP223PD0」となっており、ファームウェア類は公式のサポートページからダウンロードする形となる。詳細は後ほど解説する。

 

 

 

 

ファームウェアのアップグレードに関して

ファームウェアのアップグレードは公式のサポートページからダウンロードする形となる。

 

  

方式としてはファームウェアアップグレードツールをダウンロード→USBメモリに焼く→BIOSからSATA Typeを「AHCIモード」に設定→USBメモリからブート→アップグレードとなる。

最近ではIntelやPlextor、A-DATA等のメーカーではWindows上からファームウェア、状態管理が出来るソフトからアップグレードとなることが多かったが、Apacerの場合は従来通りのSSDのようにDOSからアップグレードする形だ。

 

 

 

 

Windows上からSSDを確認するツール「SSD Widget」もあるが、一切起動せず

AHCIモードに設定した状態でOS上からSSDの状態やファームウェアを確認できるソフト「SSD Widget」ファームウェアと同梱されているが、当方の環境では「Apacerデバイスがありません」と表示され、どうやっても起動できなかった

 

 

また同様にUSBメモリにDOS、ファームウェアを焼く「SSD upgrade tool installer 1.1」でもどうやってもUSBメモリの認識が出来ず、ファームウェアをUSBメモリにすら焼くことが出来なかった

 

2種類の方法でファームウェアを焼けるようにしているようだが、その両方共SSDやUSBメモリが認識できないというのは如何なものだろうか。

 

 

 

 

OS認識後の容量

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120GBのSSDはOS認識後「111.79GB」となる。

 

 

 

 

検証環境

 

CPU Intel Core i7-5960X 3.0GHz
Mem Crucial DDR4-2133 8GB×8
SSD C Intel 730Series 480GB (SSDSC2BP480G4)
HDD D WesternDigital 3TB (WD30EZRX-00D8PB0)
SSD F Apacer PANTHER AS330 120GB (AS120GAAS330-JP)
M/B MSI X99S SLI Plus (1.C0)

 

X99のSATA3ポートに「AP120GAS330-JP」を接続し検証を行った。

 

 

 

CrystalDiskMark 5.1.2 x64 50MB~1GB

 

公証スペック CDM実測
Seq Q32T1 最大読込 562.3MB/s
Seq Q32T1 最大書込 492.3MB/s
Seq 最大読込 495MB/s 534.5MB/s
Seq 最大書込 385MB/s 486.7MB/s

※最大値を記載

 

公称スペックがSeq最大読込495MB/s、Seq最大書込385MB/sとなるが、CrystalDiskMark 5.1.2 x64 Randomでは公証スペック以上のスコアーを記録した。

特にSeq最大書込は公証の100MB/s近くスコアーを超えており、驚きだ。

 

 

 

 

ATTO Disk Benchmark v3.05

左:デフォルト
右:Force Write Access ON

 

公称スペックがSeq最大読込495MB/s、Seq最大書込385MB/sという中、実測でSeq最大読込約560MB/s、Seq最大書込約490MB/sCrystalDiskMarkの傾向とほぼ同じとなっている。

キャッシュサイズごとのスコアーのバラつきも少なく、安定したパフォーマンスが発揮できているように見える。

 

 

 

 

AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387

  

ファームウェアの完成度を測ることが容易な画像2枚目のCompression Benchmarkに注目していただきたい

ここ最近検証したA-DATA SP550A-DATA SP920SKS SK-128G-SF100-Sの波形と比べると、縦軸のブレが大きく、負荷によって書込み時の揺らぎが大きい

 

全体的に読込は負荷時に大きな変動はないものの、書込み時に最大約170MB/s弱変動しており、他社製のSSDと比べると変動幅は大きいため負荷時には注意しておきたい。

 

 

 

 

日本向けパッケージで性能や保証を確認しやすい

他社とは異なり、パッケージを国内向け仕様に変更しており、パッケージからSeq最大読込、書込、Trim、NCQ対応、TLC NAND採用等確認することが容易となっており、初心者でもスペック類を確認できるのは非常に有り難い。

また販売店の店員でも商品確認時にスペック類を把握しやすいため、誰にでも優しいパッケージとなっている。

 

 

 

 

TLC NAND採用SSDに多い3年保証と安心サポート

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TLC NANDを採用するSSDの大半はメーカー3年保証となっており、Panther AS330シリーズもメーカー3年保証となる。

日本語対応窓口を設置するApacer Japanでサポートを受けることが出来、当方も製品に関する質問をメール経由で何度か使用した。

メールの返信は非常に素早く、メール送信後1,2時間で帰ってくることもあったため迅速な対応と言えるだろう。

 

 

問い合わせフォームは海外仕様を日本語に変換した状態のため少々違和感を覚える所もあるが、海外メーカーである故仕方ない部分もあるかと思う。

 

 

 

 

公称スペックを大幅に上回るパフォーマンス

CrystalDiskMarkやATTO DiskBenchから確認できたとおり、Seq最大読込495MB/s、Seq最大書込385MB/sという中、実測でSeq最大読込約560MB/s、Seq最大書込約490MB/s近いパフォーマンスが確認できた。

Seq最大読込もさることながらSeq最大書込も100MB/s近く上回っているため、まさにパフォーマンスは2.5インチ上位モデルのSSD並とも言える。

 

約4,000円台でこれほどのパフォーマンスを発揮できるものは少なく、お買い得なSSDだといえるだろう。

 

 

 

 

ファームウェアアップグレードツールの使い勝手は微妙

ファームウェアアップデートツール2種類「SSD Widget」「SSD upgrade tool installer 1.1」SSDの認識やUSBメモリの認識が行えずファームウェアをアップデートすることが出来なかったのが残念でならない。

ファームウェアをアップデートしなければSSDが故障するといったことは一切ないため、アップデートする意味は然程ないとも言えるのだが、今後のことを考えればこういった公式ツール類は最低限使えるようにして頂きたい

 

 

 

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