先日カーナビの買い換えということで、色々なカー用品屋さんを巡ってきました。
その中でカーナビ業界に対して様々な疑問を感じたため記事にしてみました。
1. 余りにも進化が遅れたカーナビメーカー
・日本のスマホ普及率は49.8%に – ITmedia ニュース
・スマホの世帯普及率5割超す 内閣府の消費動向調査 – 朝日新聞デジタル
ここ最近では国内でのスマートフォンの普及率は4割から5割を超えている状況で、もはや「持っていて当然」と言われるのも近くなってきました。
そのスマートフォンでは当たり前に搭載されているWi-Fi/Bluetooth/3G,LTEと言った機能ですが、未だにカーナビメーカーの多くは一部のモデルを除き、殆どの技術が搭載されていません。
富士通テンのECLIPSEやKENWOODの彩速ナビなど、ClarionのNXシリーズなどの上位モデルではようやくBluetooth/Wi-Fiが標準化されつつ有るようですが、未だにWi-Fiに関しては最上位のみと言ったメーカーが多く、普及率が低いです。
2. 異常なモッサリ度
カー用品屋さんにはたいてい売りたい機種のデモ機(実機)が置いてあることが多く、操作感を試すことが出来るようになっています。
各メーカーのナビを触ってみて頂くと、スマートフォンを扱った人ならわかるかと思いますが「異常なモッサリ感」を覚えるかと思います。
そういう私も嫌というほど体験しました。
・カーナビ進化の歴史 – カーナビ・ヒストリー
カーナビの歴史自体は比較的に浅く、上記サイトによれば1980年台以降より急速に発達してきました。
2000年台にはDVDナビ、2006年以降からメモリーナビ、2007年以降はHDDナビと進化してきました。
しかし2014年、未だにカーナビゲーションは「モッサリ」という進化のなさ。
一体いつまでモッサリを続けるんでしょうか。メモリナビが主流となった今でも、レスポンスが改善されたとはいえスマートフォンにすら追いつかぬ異常な遅さ。
ここ最近では各メーカーもマイナーチェンジと言うソフトウェアアップデートや、ハードウェアの改良でレスポンスは改善してきているものの、スマートフォンに比べると雲泥の差。
以前までは「HDDカーナビだから~」とか、「CPUの処理が遅いんで~」と言い訳が出来ましたが、カーナビよりも高機能でより小型なスマートフォンがより快適なレスポンスを提供できている以上、言い訳はできません。
3. 未だにネットワーク通信はPHS/3Gが主流
・カーナビ専用サービス for CARWINGS – ウィルコム(WILLCOM) 公式
私が驚いたのは2014年になっても未だにカーナビ系のネットワークは「PHS/3G系」が主流という点。
一部高級なカーナビにはau 4Gが付いていることも有りますが、Honda純正ナビの「Internavi Premium Club」や日産の「CARWINGS」、クラリオンの「Smoonavi」といったサービスはウィルコムのPHS/3Gのサービスを利用しており、ネットワークが遅いため、非常にレスポンスが悪い環境で使用している可能性が高いです。
・KDDI、国内初のLTE対応M2M通信モジュールを発売 – マイナビニュース
・ビックデータ活用がポイント:“スマホでカーナビ”を拡大するドコモとパイオニアの狙い – ITmedia Mobile
現在カーナビでは交通情報や天気、ガソリンスタンドの価格情報など色々なデーターをリアルタイム更新することが求められています。
しかも各車から発信されるリアルタイムなデーターをビッグデータとする事で、色々なビジネスに利用できるということでdocomo、auに関してはようやく重い腰を上げ始めた所のよう。
あまりにも遅すぎるスタートでは。
4. スマートフォンはあくまで通信ツール
カーナビの製造会社の方々はスマートフォンはあくまで「通信ツール」という考え方が有るのか、スマートフォンと連携が可能といっても「音楽の遠隔再生/CDタイトルの取得用/ボイスコントロール用」といった中途半端なものばかり。
皆さんが想像するスマートフォンの連携とは程遠く、微妙なものばかり。せめてWi-Fiでスマートフォンの映像を無線で飛ばせるMiracastや、Wi-Fiでスマートフォン内に入っている写真や動画を閲覧できるWi-Fi DMSが標準的になればより使いやすくなると思うんですけどね。
この他にもスマートフォンの連携を謳っているにもかかわらず、ソフトウェア等のアップデートはSDカードからのみというカーナビも多く、何のためのWi-Fi/Bluetooth機能だよというものも。
5. 5,6年前と何が変わったのか?
5,6年前のカーナビから何が進化したのか?と言うと、未来感を感じさせるARナビやら、操作感やら、レスポンスやら綺麗事をきっと並べるでしょう。
しかしそれでも「スマートフォンより劣るよね」と言い切れてしまいます。
現代を取り巻くクルマ事情の変化でカーナビを置くダッシュボード部分は更に狭くなり、カーナビの機能は増加で発熱源が増える等、多種多様な問題が発生しているのだろうと思われます。
しかしスマートフォンに負けてしまっては、カーナビ業界いずれGoogleのAndroid Autoや、AppleのCar Play、Intelの推すTizenへと徐々に切り替わり始める可能性が高いと言えます。
特に高機能、ハイエンド向けが売れる国内市場ではAndroid AutoやCar Playで溢れかえることが予想出来てしまうのが怖い所。
まだAndroid AutoやCar Playに対応したカーナビは市販されておらず、ようやく開発段階へと移行したところのため、時間的猶予は恐らく1,2年でしょう。
スマートフォンのように、各社同じOSを使うことにより開発費は抑えられますが、個性が消え、同じような商品ばかりになる前に手を打つ必要があると個人的に感じます。
6. まとめ
「カーナビ業界は腐っている」と一言でまとめられるでしょう。
何年も同じようなものを作りながら、製品の改良を満足にできず、惰性でゴミを量産し続けているように感じました。
※あくまで個人的な意見です
家電製品のようにある程度洗練されていれば、~のメーカーが良いと言えるのですが、カーナビに関しては各社好き勝手作った挙句、ユーザーインターフェースや、サービスの収集がつかなくなり、後から出てきたAndroid AutoやCar Playに市場を持っていかれる未来が見えてしまうのが残念な所。
もう少し時代に敏感となり、より良い商品を作るにはどうすればいいのか?というところを改めて考えていただきたいと感じました。
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