• H11SSL-i｜マザーボード – Super Micro Computer, Inc.

知り合いより連絡があり、Supermicro製のSocket SP3用マザーボード「H11SSL-i」でハマっていると連絡を受け、調べているとマザーボードのリビジョン(1.x、2.x)によってEPYC 7001 第1世代(Zen1/Naples)、EPYC 7002 第2世代(Zen2/Rome)が動作する、動作しないという問題がある事が発覚しました。

H11SSL-iはRev 1.0とRev 2.0の2種類がある

• H11SSL-i｜マザーボード – Super Micro Computer, Inc.
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シングルAMD EPYC™ 7001/7002*シリーズ・プロセッサー(AMD EPYC 7002シリーズのドロップイン サポートにはボード・リビジョン2.xが必要です)

「H11SSL-i」の公式サイトには「EPYC 7002シリーズ(Zen2/RomeのサポートにはRev 2.xが必要です)」と記載されており、「じゃあEPYC 7001/7002両対応なマザーボードはRev 2.xだから、そっちを買えばいいか」と誰しも思うでしょう。

が、待ってほしい。これには壮大な罠があります。

Rev 2.0はEPYC 7002シリーズしか動作しない！？

H11SSL-i Rev 1.0: EPYC 7001シリーズ(Zen1/Naples)専用！？

H11SSL-i Rev 2.0: EPYC 7002シリーズ(Zen2/Rome)専用！？

知り合いおよび当方の検証の結果、「H11SSL-i」 Rev 2.0のマザーボードの場合、古いBIOSだとEPYC 7001シリーズ(Zen1/Naples)は動作しないことが発覚。(BIOSが起動しない、ディスプレイ出力が行われない)

※が、この後この結論は誤っている事に気づきます。

SupermicroのBIOSダウンロードページでも意味深な記載有り

• BIOS / BMC / バンドル ファームウェア MBD-H11SSL-i用 – Supermicro

重要な注意事項

BIOS R 2.x以上はMB Rev.2.00のみをサポートし、32MB SPIフラッシュROMでAMD 7001/7002両シリーズプロセッサをサポートします。

「H11SSL-i」のBIOSダウンロードページに「BIOS R 2.x以上はマザーボードのリビジョンが「Rev 2.0」のみサポートし、32MBフラッシュROMでEPYC 7001/7002両シリーズのプロセッサをサポートします」と記載があり、明らかにRev 1.xとRev 2.x系が明確に差別化されています。

知り合いの「H11SSL-i」は「Rev 2.0」と記載があるので、このBIOSを焼くことが出来れば「EPYC 7001/7002両シリーズサポート」が行えるはず。

SupermicroはBIOSアップデートにEPYC 7001シリーズ(Zen1)が必要

だが待ってほしい…「Supermicro」はサーバー用マザーボードのため、基本的にBIOSアップデートにCPU(EPYC 7001シリーズ(Zen1/Naples))、メモリ類が必要…。

つまりEPYC 7001シリーズと「H11SSL-i」 Rev 2.0を用意の上、BIOSのバージョンを「V3.3」にアップデートすることが出来れば「EPYC 7001/7002両シリーズサポート」となります。

あまりの面倒さに頭を抱える

せめて一般向けマザーボードのように「CPU、メモリレスでUSBメモリ経由でBIOSアップデートを行える機能があれば…(IPMI経由があるものの、BIOSアップデートは不可)」、もしくは「BIOSのフラッシュROMが取り外し可能で、ROMライターで書き換え、交換が出来れば…(オンボードなので取り外し不可)」。

「ChatGPT」に聞いてみましたが、案の定「CPU、メモリ無しではBIOSアップデート不可(BIOS更新を行う際に一時的にメモリ上へ展開して処理を行うため)」との事でした。

結論

• BIOS / BMC / バンドル ファームウェア MBD-H11SSL-i用 – Supermicro

・「H11SSL-i」はRev 1.x、Rev 2.xのいくつかがある

・Rev 2.xであればBIOSのフラッシュROM容量が大型化された影響でEPYC 7001/7002両対応の「BIOS v3.3」が利用できる(Rev 1.xだとBIOSのフラッシュROM容量的に不可らしい？)

・但しEPYC 7001/7002両対応の「BIOS v3.3」にアップデートするにはEPYC 7001シリーズ(Zen1/Naples)、メモリ類が必要

結論としては上記の通り。

良くもまぁこんな面倒なマザーボードを出してくれたなぁと…。

下手にソケットの互換性を持たせるとこういったことが起きかねないので、Revで管理するのではなく、別のマザーボードで売って欲しかったなぁと言うのが正直な感想。(AMD系はSocket AM4でもROM容量の問題でZen2→Zen3辺りで色々ありましたし…)

1番可哀そうなのは「H11SSL-i」 Rev 1.x系を買った人なのでは？と思わなくも…。