・マウスコンピューター Windows10搭載スティック型PC MS-NH1-W10 Windows10/2GB/32GB – Amazon
・持ち運べるUSBメモリサイズのスティック型PC「MS-NH1-W10」の外観をチェックする – Re;con-ReviewDays
第1回目の外観レビューに引き続き、第2回は製品のより詳細な部分をチェックしていこう。
プリインストールアプリ
デスクトップには「Windows10 ユーザーガイド」や「ハードウェアマニュアル」のみが置かれている状態で非常にシンプル。
プリインストールアプリはWindows 10内臓のコンテンツが大半で、ドライバーを除きメーカー独自の追加ソフトは無いようだ。
CPUパフォーマンスについて
・Intel® Atom™ Processor Z3735F (2M Cache, up to 1.83 GHz) – Intel ark
CPUは中華タブレットに採用が多い「Intel Atom Z3735F 1.33GHz~1.83GHz」となっており、4コア4スレッドとなる。
・PassMark – CPU Mark Low End CPUs – Updated 1st of January 2017 – PassMark Software
PassMarkのCPUMarkではAtom Z3735Fは昔のCore2 Duo U7300やPentium Extreme Edition 955、AMD Turion II Neo N40L相当となっており、最近のものではCeleron N3050が一番近いスコアとなっていた。
約8,000円で2009年代のCPU性能と同じというのは驚きだ。
正直な所Atom Z3735Fのパフォーマンスは低く、ブラウザを開くだけでもCPU使用率が100%になることが多いため、性能面で多くは望まない方が良いだろう。
空きメモリに関して
・CPU-Z VALIDATOR MS-NH1-W10 – CPU-Z
メモリはDDR3-1333 2GB×1のシングルチャンネル仕様となっており、OS起動後は約1GB空きといった状態となっていた。
やはり軽量化されたWindows 10でもメモリ不足感は否めず、他ソフト類を入れると使用率が70%近くなるため用途を絞る必要がありそうだ。
SSD(eMMC)の空き容量について
SSD(eMMC)の容量は32GBとなるが、OSのリカバリー領域等を差し引くと実質空き19.17GBとなっていた。
今後のOSのアップデートですら心配になるほど空きが少ない。
SSD(eMMC)について
SSD(eMMC)はKingston製の「S10032」となっており、今までに購入したタブレットPCやスマートフォンには搭載されていないeMMCとなっている。
SSD(eMMC)のパフォーマンス
スコア | |
Seq読込最大 | 82.84MB/s |
Seq書込最大 | 46.14MB/s |
今まで検証してきたタブレットPCの多くはSamsung、もしくはHynix製のeMMCが多かったものの、今回はKingston製の物となっている。
・5.5インチのWindows搭載ゲーミングデバイス「GPD Win」の細部をチェックする – Re;con-ReviewDays
・7,980円で購入できる激安な7インチWindowsタブレット「WDP-072-1G16G-BT」の使い勝手をチェックする – Re;con-ReviewDays
パフォーマンスをチェックしてみたが、従来のSamsung/Hynix製のeMMCに比べると半分程度のパフォーマンスとなっている。
その為若干データの書込(保存等)を行った際にもたつきが出ることが多いように感じた。
搭載OSのビルドについて
搭載OSのWindows10ビルドは「Build:10240」となっており、Windows10 1周年記念ビルド「TH2(Build:10586)」へアップデートする必要があるため、SSDの容量を空けた状態で早めにアップデートを行ったほうが良いだろう。
Wi-FiはRealtek製のSDIOを採用
Wi-FiはRealtek製の「RTL8723BS」となっており、デバイスマネージャーの情報では「SDIO」との表記があった。
以前BayTrail-Tを搭載するタブレットで同じようなSDIOの製品を利用した際にWi-Fiとmicro SDを同時使用(ブラウザからデータをダウンロード)すると異常にダウンロード速度や、保存速度が大幅に落ちることが有り、帯域を共有している可能性が高かった。
本製品も同様にパフォーマンスが落ちることが確認できており、帯域を共有している可能性が高い。その為そういった用途には向いているとはいえないため注意して頂きたい。
因みにだがWi-Fiの受信感度は想像以上に良く、ルーターからかなり離れた筆者の自室でもシグナルの強さはかなり強めに出ていた。
この点は中華系のスティック型Android端末より大きく進化しているようだ。
デバイスマネージャー一覧
デバイスマネージャーの一覧をまとめた。「MS-NH1-W10」の詳細な仕様を確認したい人向け。
8,000円以下で購入できるPCとしては破格
執筆時現在Amazonにて8,000円以下で購入することが出来、Windows 10のフル版が使えるPCとしては破格と言えるだろう。
Internet Explorer 11やChromeをインストールすることが出来るためPC向けコンテンツを不自由なく利用できるのは有り難い。
用途を限れば必要十分なスペック
性能の高いCPUではなく、メモリも2GBとあまり余裕のない構成となっているため、マルチタスクで作業するには若干体感速度が遅いと感じられる。
その為ブラウジングPCや、ブラウザを使ったゲーム類、動画サイト観賞用PC等用途に限って利用することが一番のように感じる。多くを求められる場合は「MS-NH1-W10」はお勧めできない。
ファンレス動作のためCPU温度が上がりやすい
・マウスのスティック型PCを魔改造! ノーマルより冷え冷えになった全工程 – 週刊アスキー
「MS-NH1-W10」はファンレス仕様となっており、CPU温度が上がりやすいのがネックと言える。
ただでさえCPUの性能が低い所に発熱で動作クロックが落とされてしまうと体感速度が更に落ちてしまうため、筐体を効率的に冷やせるような工夫が必要かもしれない。
後継製品では対応したWi-Fiの5GHz帯に対応していない
「MS-NH1-W10」の後継製品となる「MS-CH01F」はWi-Fiの5GHz帯に対応したものの、本製品「MS-NH1-W10」ではハードウェア的に5GHz帯に対応していない。
2.4GHz帯が混戦しやすい集合住宅で利用される場合は注意して頂きたい。
・マウスコンピューター Windows10搭載スティック型PC MS-NH1-W10 Windows10/2GB/32GB – Amazon