2015年8月22日(土)に行われたマスタードシード主催のASRockイベント「次世代Core「SKYLake」とAsrock対応マザーについて徹底解説」にお邪魔させて頂きましたので、簡単なレポートをお届け致します。
- 1. ASRock 100シリーズのメインラインナップは3種類から
- 2. ASRock Premium Power Choke
- 3. ASRock Premium Memory Alloy Choke
- 4. ASRock Dual Stack MOSFET
- 5. ASRock Super Alloy
- 6. PCI Express×1スロットをエッジフリーに
- 7. LGA1151マザーで多いWindows 7のUSBドライバ問題に関して
- 8. Haswell (LGA1150)と比べて電源が外部へと再度移行、フェーズ競争勃発へ
- 9. クリエイターにもお勧めなUltra M.2を使った超高速SSD RAID
- 10. Intel 750 Seriesを7台使ったCrystalベンチ結果も
- 11. USB 3.1 Type C (Gen2)にも対応
- 12. ゲーミング向けのモデルの特徴
- 13. 一部のモデルに採用されている「Killer NIC」に関して
- 14. ゲーミング用のパッケージデザインはカマキリをベースとしたものへ変更
- 15. ゲーミングに特化したMini-ITXマザー「Z170 Gaming-ITX/ac」も今後登場予定
- 16. メモリのオーバークロックにもお勧め
- 17. Braswellを搭載したNUCのような超小型PC「Beebox」
- 18. ASRockはルーターを発売します
- 19. スマートフォンアプリからの操作で赤外線機器を操作も可能に
ASRock 100シリーズのメインラインナップは3種類から
・マザーボード一覧 インテル CPU(LGA1151)対応 – マスタードシード 公式
今回国内で発売する、されているラインナップは上記「Extremeシリーズ、Gamingシリーズ、Overclockingシリーズ」の3種類。
商品の命名法則(型番)が従来と一部異なり、製品の語尾に「+」や「K」などが付与されています。これは「+」がSATA Express → USB 3.1の外付けBOX (約7000円相当)の有無、「K」がQualcomm Killer NIC (LAN)の有無を表しているようです。
なおExtreme ”6”+等の数字に関しては従来通りExtreme 6をベースにしてあるという意味で変わらないとのこと。
ASRock Premium Power Choke
従来のフェライトチョークコイルに比べて3倍まで効率よく電力を増加。Vcoreの電圧を安定させるだけではなく強化ができるとのこと。
ASRock Premium Memory Alloy Choke
耐熱性に優れるだけではなく、飽和電力もフェライトチョークより多く、電力供給の安定化、信頼性向上に優れているとのこと。
ASRock Dual Stack MOSFET
MOSFETに関しても2つのダイを組み合わせた設計に変更。
ダイ面積が大きいほど抵抗が下がると言われているため、限られた大きさでダイ面積を大きくするために重ね(スタック)、抵抗値が1.2mΩとなり、電源効率も発熱効率も上昇させることに成功。
ASRock Super Alloy
105度環境で12000時間の寿命があるニチコン製のプラチナコンデンサを使用しており、他社が謳うコンデンサの10000時間より更に長寿命で高品質なものを採用しているとのこと。
動作環境が10度下がると寿命が2倍になると言われているため、 PCケース内の温度が45度だと仮定すると76万8000時間(約88年間)の寿命となり、コンデンサよりも人間のほうが早く死んでしまうのでは?とも。
PCI Express×1スロットをエッジフリーに
ぱっと見ではあまり気づかれないことも多いでしょうが、PCI Express×1スロットでも×4などのカードを挿せるよう「エッジフリー」にしているとのこと。
PCI Express 3.0×1、×2、×4等多数のカードが今後登場予定のためこういった配慮はありがたいですね。
LGA1151マザーで多いWindows 7のUSBドライバ問題に関して
Z170用のUSB 2.0のドライバがまだ公開されていないため、Z170を搭載したマザーボードでWindows 7をインストールしようとした場合、USB 2.0の機器(主にマウス、キーボード)が使えず、インストール出来ないという事が発生しています。
それに対応するためASRockでは「WIN7 USB PATCHER」をドライバディスクにプリインストールしており、xHCIドライバをWindows 7のイメージにインストールすることでUSB 2.0機器を従来通り使えるように配慮しているとのこと。
Haswell (LGA1150)と比べて電源が外部へと再度移行、フェーズ競争勃発へ
Haswell (LGA1150)はCPU内部にレギュレータを搭載していたためマザーボード側に多くのフェーズを搭載する必要はありませんでしたが、Skylakeより再度レギュレータが外部へと移され、フェーズ競争が勃発するのでは?と。
なお、Extremeシリーズの最上位モデル「Z170 Extreme7+」では12フェーズ、Z170 OC Formulaでは18フェーズを採用しており、負荷が続く作業も安定した電源供給を行えるように設計しているとのこと。
クリエイターにもお勧めなUltra M.2を使った超高速SSD RAID
・ASRock U.2 Kit – マスタードシード 公式
・ASRock U.2 kit(M.2変換アダプタ) – Amazon.co.jp
高速な読込、書込が必要なクリエイターにお勧めなのが「Ultra M.2スロットとU.2 (SFF-8643)変換カードを使った超高速RAID」でZ170 Extreme7+ではM.2スロットを3つ搭載しているため、Intel 750 SeriesのSSDを3台組み合わせてCrystalDiskMarkでシーケンシャルQ32T1読込3561MB/s、書込3245MB/sを達成しており、RAM DISK並みの速度が確認できます。(画像3枚目)
Intel 750 Seriesを7台使ったCrystalベンチ結果も
・Intel 750 Series 400GB PCIe版 SSDPEDMW400G4R5 – Amazon.co.jp
因みにIntel 750 Seriesを7台搭載し、CrystalDiskMarkで計測したデータも公開され、Q32T1読込6165MB/s、書込5487MB/sを達成というあまりにも高速な速度を達成した画像も公開されておりました。
NVMeに対応したSSDでRAIDを組むことはできるのは現状Z170のみとなるため、ある意味Z170のアドバンテージとも言えるでしょう。
USB 3.1 Type C (Gen2)にも対応
USB 3.1 Type C (Gen2)はデータ転送が従来のUSB 3.0 (5Gbps)に比べ2倍の10Gb/sへと高速化。
更に充電速度もUSB 3.1 Type A (1.5A)と比べ3.0Aで充電できるため、2倍早く充電できるようになりました。
ゲーミング向けのモデルの特徴
ASRockのゲーミングモデルは以下仕様に拘り、よりゲームを快適に楽しむ工夫が行われています。
・CPU Power:密度の高い4ピン、8ピン用のコネクタを使用
・Memory:15μの金を使ってメモリとの接触面をコーティング
・VGA Card:15μの金を使ってPCI Expressスロットの接触面をコーティング
・Internet:Killer NIC E2400を使った低遅延でより快適なゲームを。
またゲーミング向けの機能として以下機能が搭載されています。
・F-Stream:OC Tweakerや多目的なソフトを一覧で管理するソフトウェア
・Key Master:マクロキーのカスタマイズやキーリピートレートの調整、リモートディレイ機能でマウスとキーボードの性能を向上させることが可能
・Fatal1ty Mouse Port:専用のUSBポートにマウスを挿している場合、F-Streamを起動後マウスのポーリングレートを125Hzから1000Hzまで調整が可能。
一部のモデルに採用されている「Killer NIC」に関して
製品型番の最後に「K」が付くマザーボードにはQualcomm製の有線LAN「Killer E2400」が搭載されており、低遅延が有利とされるFPSゲーマー向けにお勧めな有線LANチップとなっています。
ゲーミング用のパッケージデザインはカマキリをベースとしたものへ変更
Z170シリーズよりゲーミング向けのマザーボードのパッケージデザインは「カマキリ」をベースとしたデザインへと変更。
その理由としてはカマキリの「より正確な必殺の一撃」をイメージしているとのこと。
ゲーミングに特化したMini-ITXマザー「Z170 Gaming-ITX/ac」も今後登場予定
・ASRock Z170 Gaming-ITX/ac – マスタードシード
Intel Z170を搭載したSkylake向けのMini-ITXマザーボード「Z170 Gaming-ITX/ac」も今後登場予定となっており、Intel&Killer NIC、Ultra M.2、USB 3.1 Type Cを搭載した仕様で登場予定だそうです。
メモリのオーバークロックにもお勧め
一部のモデルで搭載されている「High Perfomance with Easy Tuning」を利用することで、BIOSに入らずオンボードスイッチよりXMPプロファイルをロードすることが可能です。
因みにですがZ170 OC FormulaではDDR4で4217.3MHzというクロックまで到達できているとのこと。
Braswellを搭載したNUCのような超小型PC「Beebox」
・ASRock ベアボーンキット一覧 – マスタードシード 公式
・ASRock Beebox N3150B/B/BB Celeron N3150 4コア 黒モデル – Amazon.co.jp
Intelの新CPU「Braswell」を搭載したNUC似のPC「Beebox」が発売されています。
Celeron N3000モデルが2コア2スレッド、Celeron N3150モデルが4コア4スレッドとなるため選択時には注意が必要です。
従来の製品で多く搭載されていたBayTrailよりも性能が強化されたCPUとなり、20.5dB以下の静かさ、802.11 ac対応の無線LAN、最新のUSB 3.1 Type C、4Kに対応した3画面出力などを搭載した超小型PCとなります。
Beeboxの由来とは「小さくて素早く静か(Small Fast Quiet)」をベースに設計しており、寝室やリビングなどで軽く簡単に使えるPCにお勧めとのこと。
ASRockはルーターを発売します
ASRockは「G10」と呼ばれるルーターを発売する予定です。
なお、G10という名前はWindows 10を意識しているとのこと。
「G10」とはゲーミング用に主としたルーターで、内蔵型の8本のアンテナと最新の11ac、赤外線に対応し、複数のデバイスで同時ストリーミングやゲームを可能にしているとのこと。
またビームフォーミングに対応しているため通信同士の干渉を避けつつ、ゲーム向けのデバイスに安定した帯域を割り当てることも可能になるようです。
スマートフォンアプリからの操作で赤外線機器を操作も可能に
ルーター本体に赤外線を内蔵しているため、赤外線を使用しているテレビや照明、エアコン等の操作をスマートフォンのアプリから操作を出来るようにしているそうです。
但し現時点でアプリの日本語化などの詳細は決まっていないため、今後の情報公開に期待したいと思います。