eArenaにて以下キャンペーンに当選しましたので、そのうちの一つとなる「Big Bang-Fuzion」のレビューとなります。
パッケージおよび付属品一覧
パッケージに大きく書かれた「Hi-C CAP」の文字と「日本品質」。
昔のグラフィックボードやマザーなどはHi-C CAPばっかりの採用ばかりだったらしいですね。
液コン、固体コンの採用が増え消えて逝ったとか…。
雑談はさて置き、付属品は以下の通り。
・いや、もうなんつーか説明できる数じゃないです。
3万の高級マザーとは言え、「超」が付くほどの大量の付属品です。
流石に1つ1つ説明出来ないので、詳しくはWebで!(ォィ
外観
ROGの箱のようなケースに包まれたマザーボード。
青く光り輝くヒートシンク上の「BIG BANG」、「DrMOS」の文字…ふつくしい。
マザーは黒基盤ので、非常に高級感を感じます。
所々のパーツは黒や青い色に統一されており、まさに「質実剛健」と言った感じです。
CPU周り
フェーズ数はDrMOSがあるので数えづらいですが、見た目は10フェーズとなります。
DrMOS自体1個で4フェーズの役割を果たすとのことで、ヒートシンクを外すと・・・8つ付いていました。
※画像撮り忘れたので、詳しくは4Gamerの「レビュー」をご覧ください。
チョークコイルには「msi SFC」との記述があり、その周りにはHi-C Capが大量にちりばめられています。
拡張スロット
拡張スロットは上から
PCI Express*1
PCI Express*16
PCI Express*1
PCI
PCI Express*16
PCI
PCI Express*16
と言った配置になっています。
ハイエンドマザーの割にはPCIが2本もあり、非常に有難いですね。
至る所にちりばめられた「Hi-C Cap」
日本製の「Hi-C Cup」が至る所にちりばめられており、CPU周りだけではなく、メモリ周辺やSATA周辺にもふんだんに使用されています。
ソケット部分はLOTES製
ソケットはLOTES製となっており、CPUのピン焼損事故が起きる「FOXCONN製」ではありません。
ピンの焼損事故が起きることは無いかと思うので安心ですね。
その点、以前レビューした時に使用したASUSのMaximus III Formulaと来たら…(もうLOTESになっているかも知れませんが…)
参考 > Maximu III Formula 適当なレビュー
POST表示機能
当マザーにはマザーボード上のエラーや温度などを表示する「POSTコード表示」が付いています。
メモリのエラーや、CPU用電源が刺さっていない時などに数字が変化し、マザーボードを参照することで異常を察知することが出来ます。
ただ問題は一番上のPCI Express*1スロットに別基盤のサウンドカードを付けると見づらくなることでしょうか…。
出来ればSATAコネクタあたりに付けて貰ったほうが視認性は良かったと思います。
OC Genieやオンボードスイッチ
MSI独自のOC機能「OC Genie」のON/OFFスイッチがマザー左下にあり。
OC Genieとはスイッチを押して起動するだけで自動でCPUをオーバークロックしてくれる機能です。初心者向け、入門者向けの機能でもあるのでOCが初めての方にも優しいです。
ちなみにOC Genieはハードウェアのチップで制御されている模様。(画像2枚目参照)
また、マザー右下部分には「GreenPower/電源ON/RESET」のスイッチが存在。
ぱっと見、スイッチなんて無いじゃないか?と思いますが実はこれ「タッチパネル」。
高級マザーだけ合って最先端ですなぁ。でも感電しないの?って私も思ったんですが、ぜんぜん感電しませんでした(^^;;
搭載チップ一覧
Realtek RTL8111DL: Gigabit Ethernet
VIA VT6315N: IEEE1394コントローラー
Fintek F75388SG: 温度センサー?ファンコントローラー?
JMicron JMB362: PCI Express to SATA変換チップ
JMicron JMB322×2: SATA変換チップ?JMB362とほぼ同じもの?
JMicron JMB363: PCI Express to SATA、PATA変換チップ
RENESAS R2J20651: これが噂のDrMOSの正体…だと思います。とりあえず何でもかんでもJmicron使うの止めてください…。
GIGABYTEの「GA-MA790FXT-UD5P」でも経験しましたが、JM322を使ったSSDのRAIDはBIOS画面から起動しない相性があります。
OCZ製のVertex 30GBでRAIDを組んだ時に経験し、調べてみると価格.comでも事例があるようですので、JM322を使ったSSDのRAIDは不可能と考えましょう。
別にPCHから出ているSATA 6ポートを使えば問題なくRAIDは組めますので、RAIDは組めないということではありませんので、ご注意を。
DrMOSも至る所に配置
RENESASが日本で製造している「R2J20651」はメモリ周りや、SATAコントローラーの周りにも配置され、作るだけ大赤字と言うのもなんだか納得出来ます。
普通こう言った統合されたMOSFETはマザーのそこら中には使うと言った事はありませんでしょうし、値が張るだけあるなぁと実感させられます。
ここから察するに、MSIの本気が感じられます・・・。
マザー裏面
先ほども述べましたが、ソケットはLOTES製。
1枚目をよーく見て頂ければわかりますが、1個だけ地味にHi-C Capが付いています。MSIさん、歪みねぇな・・・。
別基盤サウンドカード
Fuzionにはオンボードサウンドが別基盤で搭載しており、「EAX Advanced HD 5.0」と「THX」の両方が利用可能な豪華仕様となっています。
しかし、これは「Realtek」のサウンドカードチップによりソフトウェアでの対応の様で、昔のMSIのモデルに付属していたSoundBlaster X-Fiチップが乗っていると言うものではありません。
また、サウンド出力のコネクタ部分は色分けされたLEDが光っており、色によってどこのケーブルをどこに挿すかがわかりやすくなっています。
サウンドカードチップは残念ですが、それ以上にLEDで光ると言う部分が個人的に気に入ってます。
Thermaltake Frio 冷却魂を取り付けてみた
実はLGA1156のバックプレートを取り付けるのは初めてでして、一瞬LGA1156のLOTES製のこのソケット外すのかな?
とか思って外そうとしてました(^^;;
実際は外す必要は無く、1枚目の画像のようにバックプレートをソケットに被せる形で固定します。なお、干渉などは一切無く問題なく取り付けれました。
ただし、CPUファンをメモリ側に固定する際にはDIMM1と干渉することがありますので、I/O側にファンを取り付けることをお勧めいたします。
CPU用ファン電源が挿しづらい位置にある
このマザーはCPU用ファンの4ピン電源がCPUソケットとメモリの間にある為、CPUクーラーを先に固定した場合ファン電源が挿しづらい事があります。
Frio 冷却魂を固定した時もファン電源を挿すのに時間が掛かりまして、少々疲れました…。
出来ればファン電源を付けるなら、I/Oパネル側にして頂きたかったです。
検証環境
※PrimaryがRadeon HD 5770、SecondaryがGeForce GTS 250となっていますが、検証時は逆にしています。
ベンチマーク
3DMark06
3DMark Score:17061 (GeForce GTS 250:14896、Radeon HD 5770:16240)
SM2.0:6575 (GeForce GTS 250:6314、Radeon HD 5770:6338)
SM3.0:8285 (GeForce GTS 250:6127、Radeon HD 5770:7376)
CPU:4669
3DMark Vantage Perfomance
3DMark Score:P10714 (GeForce GTS 250:14896、Radeon HD 5770:P10714)
GPU:9433 (GeForce GTS 250:6347、Radeon HD 5770:9433)
CPU:18077
CrystalMark2004 R3
Mark:209078 (GeForce GTS 250:197989、Radeon HD 5770:209078)
GDI:11404 (GeForce GTS 250:10924、Radeon HD 5770:11404)
D2D:3153 (GeForce GTS 250:8161、Radeon HD 5770:3153)
OGL:32877 (GeForce GTS 250:24826、Radeon HD 5770:32877)
Hydra自体グラフィックドライバのバージョンによってパフォーマンスに差が出るようですので、nVidia側のドライバのバージョンを各種変化させて3DMark06のみ検証してみることに。
◇GeForce Driver 186.18
3DMark06
3DMark Score:16354 (GeForce GTS 250:14896、Radeon HD 5770:16240)
SM2.0:6551 (GeForce GTS 250:6314、Radeon HD 5770:6338)
SM3.0:7483 (GeForce GTS 250:6127、Radeon HD 5770:7376)
CPU:4727
◇GeForce Driver 191.07
3DMark06
3DMark Score:17061 (GeForce GTS 250:14896、Radeon HD 5770:16240)
SM2.0:6575 (GeForce GTS 250:6314、Radeon HD 5770:6338)
SM3.0:8285 (GeForce GTS 250:6127、Radeon HD 5770:7376)
CPU:4669
◇GeForce Driver 195.62
3DMark06
3DMark Score:17093 (GeForce GTS 250:14896、Radeon HD 5770:16240、197.07:17061)
SM2.0:6477 (GeForce GTS 250:6314、Radeon HD 5770:6338、197.07:6575)
SM3.0:8339 (GeForce GTS 250:6127、Radeon HD 5770:7376、197.07:8285)
CPU:4760
◇GeForce Driver 196.21
3DMark06
3DMark Score:17197 (GeForce GTS 250:14896、Radeon HD 5770:16240)
SM2.0:6599 (GeForce GTS 250:6314、Radeon HD 5770:6338)
SM3.0:8421 (GeForce GTS 250:6127、Radeon HD 5770:7376)
CPU:4659
数字だけズラーっと並べてもわかりづらいかと思うので、グラフ化してみました。
Radeon HD 5770シングル、GeForce GTS 250シングル時よりもHydraを使ったXモード3DMark06のスコアーが上昇していることがわかります。
ドライバのバージョン差では186.18から比較対象の中で一番新しい196.21を見ると総合スコアが16354→17197に向上しており、最適化が進められている様子も伺えます。
ただ思ったよりドライバーごとの差は小さいようですね。
ベンチマークの対応について
私が使用したときのHydraの最新バージョンは「1.5.106」で対応のゲームおよびベンチは上記の物のみとなっていました。
ベンチ系としては3DMark06、Vantage、S.T.A.L.K.E.R. COP Benchなどが上げられますが、ゲームではCall of DutyシリーズやBattleField2、BioShockなどのゲームが対応していました。
ゲームによってはDX9、DX10対応の詳細な明記も行われていますが、最新のゲームなどはあまり対応しておらず、マイナーなゲームになればなるほど対応していないなどがあります。
Hydra自体はハードウェアですが、ドライバ制御となる為ドライバの対応が不可欠と言う点では使えるゲーム、使えないベンチと言ったものもありますので、やはり人柱度は非常に高いですね。
Hydraのドライバ完成度について
各ベンチ、GPUごとに色々とXモードや、Aモードを中心に検証しておりましたがHydraには2GPUのグラフィックボードが使えない(5970や4870 X2、GTX 295など)と言った事があり制限が多いのは事実です。
また、Hydraのドライバ側が対応していてもベンチマークでは正常に動かない、エラーが出る、フリーズすると言ったことも実際体験しており、まだまだドライバの完成度は低いなぁと思いました。
今回体験したエラーで言うとこちらの記事でも書いたVantageのロード中にフリーズする問題(Hydra OFFで正常に動いたのでHydraが悪さをしている)、Vantageを回そうとするとエラーが出る問題(こちらもHydra OFFで解決)と言った物があり。
Hydraが出てまだ半年も経っていないので、完成度は低いのが当たり前ですが・・・ドライバが熟成された半年後、または1年後当たりにまた使ってみたい、試してみたいと思わされました。
◇考察
GeForce + Radeonを協調動作させ、3Dパフォーマンスを上げると言った世界初のマザーボードでしたが、予想以上に楽しめました。
確かにHydraのドライバの仕様上縛られるところはありますが、確実に3DパフォーマンスはシングルGPU時よりも確実にスコアーアップしており安心しました。
Hydraに関しては人柱要素は非常に高いものとなっていますが、別にHydraを使わなくてもCrossFireなどに対応しているため通常のマザーとしても使うことが可能です。