ASRock製のIntel H510を搭載するマイニング用マザーボード「H510 PRO BTC+」を購入してみました

以前から気になっていたASRock製のマイニング用マザーボード「H510 PRO BTC+」を購入してみました。

 

H110 PRO BTC+から買い替え

ASRock製のマイニング用マザーボード「H110 PRO BTC+」を持っていたのですが、如何せん古く、対応CPUも第6世代(Skylake)から第7世代(Kabylake)迄となるため、今回第10世代(Comet lake)から第11世代(Rocket lake)に対応した「H510 PRO BTC+」を購入してみることにしました。

 

 

 

H510 PRO BTC+に買い替えるメリット、デメリット

「H110 PRO BTC+」から「H510 PRO BTC+」に乗り換えるメリット、デメリットとしては以下の通り。

 

メリット

・メリットその1:第6~第7世代の古いCPUを探さなくて済む。(第10世代~第11世代の現行CPUで動作する)

・メリットその2:ライザーカードを別途用意、購入することなくグラフィックカードを固定することが出来る。

・メリットその3:ライザーカードが不要となるためライザー用の補助電源6ピンを用意する必要がなくなる。

・メリットその4:電源連動ケーブルを買わなくてもマザーボード側にATX 24ピンが計3個(1個はマザー用、残り2個が連動電源用)あるため、電源2/3連動ケーブルの追加購入が不要。

・メリットその5:「H110 PRO BTC+」はDVI出力だったが「H510 PRO BTC+」はHDMI出力となり、DVI→HDMI変換が要らなくなる。

・メリットその6:「H110 PRO BTC+」はCPUファンを含めて3個しかファン電源(4PIN)が無かったものの、「H510 PRO BTC+」は計9個搭載しているため、グラフィックカード冷却用のファン増設が要らなくなる。

・メリットその7:「H510 PRO BTC+」は3スロット間隔でグラフィックカードを直挿しすることが出来るため、他社製の似たような製品に比べて間隔を意識して開ける必要がない。

・メリットその8:BIOSのマイニング用設定がデフォルトでON(Above 4g decoding、電源接続時自動的に電源ON等)のため、基本的にマイニング用設定でBIOSを触る必要がない

個人的に「H110 PRO BTC+」は何故映像出力をDVIにしたのか」と動作確認する度に感じていたので、DVI→HDMI化の改良は非常に助かります。これでDVI→HDMI変換を挿す必要もなくなりますし。

この他にもライザーカードの追加購入不要化電源連動ケーブルの追加購入不要化等セットアップ時の不安がかなり軽減されるため、何度も組んでいる方なら「これ良い!」と感じるはず。(GPU認識しない問題などでライザーが悪いのかType-A to Type-Aケーブルが悪いのか、電源連動ケーブルが悪いのか等調べるのが面倒な為)

 

デメリット

・デメリットその1:GPU搭載可能数が13→6枚に減少する。

・デメリットその2:DDR4用のメモリスロットが2基→1基となり、低用量のメモリを2本挿せなくなった。

・デメリットその3:背面のUSBポート数が「H110 PRO BTC+」だとUSB 2.0 Type-A(480Mbps)×4、USB 3.1 Gen1(5Gbps)×2ポート 計6ポートだったものが「H510 PRO BTC+」はUSB 2.0 Type-A(480Mbps)×2ポート、USB 3.2 Gen1(5Gbps)×2ポートの計4ポートに減少。

・デメリットその3:既存のPCケースやまな板、リグケース等の穴位置が合わない。(スペーサー用の穴位置がATXと完全に異なっているため)

・デメリットその4:BIOS画面からGPUが刺さっているかどうかの確認用GUI表記が無くなった。(H110 PRO BTC+はBIOS画面からどこにGPUが刺さっているか確認できていた)

・デメリットその5:「H510 PRO BTC+」ではファン用電源が3個→9個と増えたものの、GPUを挿すと挿せない or 挿しにくい位置にファン電源が配置されており、メリットが生かしきれない。(でも無いよりマシ)

・デメリットその6:「H510 PRO BTC+」だとオンボード出力の場合に何故かHive OS起動後のディスプレイ出力がされなくなる。PCIe 16 1本目の出力設定では問題なく出力できる。恐らくHive OS側の問題?。

・デメリットその7:国内市場では「PC4U」が5枚単位でのみ販売しており、取り寄せのみ(納期1~2か月)という点が残念。

現時点でASRock製の第10/11世代の対応マザーでGPU搭載可能数が13枚の製品はなく、それをデメリットというのは少しアレな部分があるのですが…。

あとマザーの形状がATX→専用形状となってしまったため、ネジ穴の位置が合わず既存のマイニングリグ等も全て利用できない点が大きなデメリットです。

当方は適当な木材にスペーサーを固定しマザーボードを簡単に固定できるようにしていますが、追加の費用や加工の時間が必要となるためせめてASRock側でマザーボードの詳細な図面データ類の公開が有れば良かったのにと思わずに居られません。

そういうお前はデータの公開はないのか!?と言われそうですが、全部アナログで処理してしまったのでありません。スミマセン…

 

 

 

マザーの仕様上「自分で何とか出来る人向け」

マザーボードの形状から察して頂きたいのですがマザーボードのサイズも通常のE-ATX/ATX/Micro-ATX/DTX/Mini-ITX等とは異なり、異常な縦長サイズとなっています。

当然のことながら「穴位置もE-ATX/Micro-ATX/DTX/Mini-ITX等とは異なる」ため、一切の互換性はありません

そのため既存のマイニングリグやケース類は一切流用が効かず「自分で何とか出来る人向け」と言わざるを得ません。

現状販売され始めたばかりで「AliExpress」「タオバオ」等でも「H510 PRO BTC+」用のリグ、ケース等は見つからなかったため「リグやケース等は自作が必須」となります。

 

 

 

新しいだけに謎の挙動がある

デメリットにも上げましたが「H510 PRO BTC+」ディスプレイ出力をオンボード経由(HDMI)にしているとHive OSのメニュー表示までは表示できますが、Hive OS起動完了後のGUIが表示されなくなりました

慌ててBIOSからディスプレイ出力をPCIe経由に設定すると問題なく表示できるものの、オンボード出力では何故かGUI画面が確認できないところから察するに「Hive OS側の問題」のような気がします

 

 

色々とメリット、デメリットは存在するものの「時間は買えるものではない」ため、マイニングPCのセットアップ時に楽をするにはこういったマザーボードも選択の1つではないのかなと思います。

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