・Cooler Master: V1200 Platinum – Cooler Matser Japan 公式
今回Cooler Master製の80PLUS Platinum認証電源「V1200 Platinum」を検証する機会を得られたため、レビューを行っていきます。
- 1. V1200 Platinum (RSC00-AFBAG1-JP)について
- 2. 出力
- 3. パッケージ及び付属品一覧
- 4. フルモジュラー方式を採用
- 5. ケーブル類
- 6. ATX24ピン
- 7. CPU用8ピン
- 8. PCI Express補助電源
- 9. SATA/ペリフェラル電源
- 10. 奥行き190mmの大容量電源
- 11. 30%以下の負荷には自動停止する機能を備えた13.5cmファン
- 12. 電源ボタンの搭載で入切が楽に
- 13.
- 14. 他電源と消費電力を比較
- 15. 総評
- 16. ・80PLUS Platinumを活かすにはSLI/CrossFireを
- 17. ・ケーブルの挿し間違えを少なくする印字
- 18. ・V750 Semi-Modularより細かい部分が進化
V1200 Platinum (RSC00-AFBAG1-JP)について
型番 | V1200 Platinum (RSC00-AFBAG1-JP) |
容量 | 1200W |
規格 | ATX V2.31 |
サイズ | 幅:150、奥行き:190、高さ:86mm |
80PLUS認証 | 80PLUS Platinum |
ファン | 135mm 自動回転数制御対応静音ファン |
MTBF | 100,000時間 |
その他 | Intel Gen4 Core Processor (Haswell)対応 |
ケーブル類 | フルモジュラー方式/スリーブケーブル搭載 |
コンデンサ類 | 日本製105度コンデンサ採用 |
保証 | 7年間メーカー保証 |
予価 | 39000円(税抜)前後 |
発売時期 | 2015年8月15日以降 |
80PLUS Platinumに対応し、シングルレーン100A、1200Wと言ったハイエンド向けの電源となっており、要求電力の高いRadeon R9 295X2やGeForce Titan/780Tiなどの複数枚のグラフィックカードを使用する環境に最適な電源となってます。
また、Intelの新CPU「Haswell」に対応しており、最小電流が0.5Aから0.05Aへと変更されましたが、V1200 Platinumは問題なく対応しています。
出力
+12Vは最大100A、1200Wまで出力が可能なシングルレーンとなっています。
マルチレーン形式とは違い、出力が不足することが少なく、省電力性に優れているのが特徴です。
パッケージ及び付属品一覧
<付属品一覧>
・電源本体
・電源ケーブル
・プラグインケーブル類
・Hybridファンコントローラー
・取り付けネジ ×4個
・布製電源収納用袋 ×1
・ナイロン製プラグインケーブル用袋 ×2
・タイラップ ×10本
1200Wの容量を搭載しているため、プラグイン用のケーブルが多く付属しており、恐らく各種電源ケーブルに困るようなことはないかと思います。
フルモジュラー方式を採用
V1200 Platinumはフルモジュラー方式を採用しています。
フルモジュラー方式とは電源ケーブル全てを取り外すことが出来、必要なケーブルのみ接続できる方式です。
先日レビューを行ったV750 Semi-Modularは一部ケーブルが電源から生えているセミモジュラー方式でしたが、V1200 Platinumはフルモジュラー方式を採用しているため、ケーブルの配線がより簡単になっています。
ケーブル類
ケーブル類はすべて電源から取り外すことが出来、必要なケーブルのみ取り付けすることが出来るため、エアフロー対策に効果を発揮します。
ATX24ピン
ATX24ピンケーブルの先は20ピン+4ピンとなっており、古いマザーボードから最新のマザーボードまで問題なく利用出来る仕様です。
20ピン+4ピンの間はパチっと固定できるツメが存在し、狭いPCケース内でも直接挿しやすい仕様となっていました。
先日レビューを行ったV750 Semi-Modularではこちらのツメが甘い固定だったため、狭いPCケース内では取り付けにくい仕様でしたが、V1200 Platinumは更に使いやすく進化していることが確認できました。
CPU用8ピン
CPU用8ピンは4+4ピン×2セットとなっており、ハイエンド向きのRampageシリーズなどの8ピンが2つ必要なマザーボードでも問題なく接続が可能です。
先日レビューを行ったV750 Semi-Modularでは1本しか同梱されておりませんでしたが、V1200 Platinumでは2本入っており改善されていました。
CPU用の4+4ピンはATX20+4ピンのようにお互いを固定できるツメが搭載されておらず、バラバラになってしまうため少々使いづらく感じました。
PCI Express補助電源
PCI Express用の補助電源ケーブルは6+2ピンとなっており、必要に応じて挿し替えが可能。
ケーブルには「PSU」や「PCIE」といった印刷があるため、電源とグラフィックボード側の端子を間違って逆に挿すことはまず無いでしょう。
SATA/ペリフェラル電源
SATA/ペリフェラル電源はスリーブケーブルが採用されており、フルモジュラーとなるため必要に応じて電源に挿入し、ケーブルを最大5本まで挿すことが可能です。
ペリフェラル電源は3種類存在し
・450mm + 120mm + 120mm
・400mm + 150mm + 150mm
・450mm + 120mm + 120mm +120mm
といった長さが用意されていました。
ケーブルの長さが異なるケーブルが複数用意されており、PCケースに応じて選択できるのは非常に有難い。
SATA電源はペリフェラル電源とは異なり
・450mm + 120mm + 120mm + 120mm
といった等間隔なケーブルが用いられています。
奥行き190mmの大容量電源
※上:V750 Semi-Modular、下:V1200 Platinum
電源の奥行は190mmと通常の電源よりも50mmほど長くなっておりますが、ハイエンド電源としては標準サイズで収まっています。(※通常のATX電源の奥行きは140mm)
フルプラグイン方式の場合は各プラグインケーブルの挿入口が出っ張ってしまい、一部のケースで干渉するということがありましたが、V1200 Platinumの場合はそういった出っ張りが一切なく、干渉する心配は無さそうです。
30%以下の負荷には自動停止する機能を備えた13.5cmファン
V1200 Platinumには静音性の高い13.5cmファンが搭載されており、付属品の「ハイブリッドコントローラ」のHybridモードを使用することで、負荷が30%以下の場合はファンが自動停止、0dbという静音で動作します。
・Cooler Master V1200 Platinum Hybrid Mode – Youtube
ハイブリッドコントローラーをAutoモードに設定した場合は負荷に応じてファンが回転する仕様で、電源を投入した途端ファンが自動停止します。
ファンが完全停止しているため、負荷を掛けていない場合は電源から発せられる音は「無音」となり、ハイエンド電源とは思えない静音性を搭載。
負荷を掛けた際にはゆっくりとファンが回転していく仕様で、突然うるさくなることもなく、OCCT Power Supply Testでも耳につくような音は一切感じませんでした。
ハイエンド電源は安定稼働のため高回転でファンが回転=うるさいというイメージを持たれている方も多いですが、ハイブリッドコントローラーを搭載するV1200 Platinumは、負荷を掛けていない時は無音、負荷を掛けても静音という電源だと感じました。
電源ボタンの搭載で入切が楽に
ここ最近の電源ではコストカットのためか電源ボタンが省かれる場合が多いですが、V1200 Platinumは大型の電源スイッチを搭載。
オーバークロッカーや検証を多く行う方には非常に便利な機能で、電源ケーブルを挿した状態でパーツの交換ができるのは有難いですね。
他電源と消費電力を比較
高負荷を掛けられるスペックのPCを用意し、各電源で消費電力を検証しました。
メーカー | 商品名 | 80PLUS認証 |
LEPA | W600-SA (600W) | 80PLUS |
Silverstone | SST-ST1000-P (1000W) | 80PLUS Silver |
ENERMAX | EPG600AWT (600W) | 80PLUS Gold |
Cooler Master | RS750-AMAAG1-JP (750W) | 80PLUS Gold |
Cooler Master | V1200 Platinum (1200W) | 80PLUS Platinum |
電源の容量がバラバラですが、80PLUS/Silver/Gold/Platinumを比較するために急遽準備したためご了承下さい。
検証方法は以下環境でOCCT V4.4のPower Supply Testを使って負荷を掛け3回検証。その平均値を結果として表記しています。
メーカー | 商品名 | 80PLUS認証 | 高負荷時 |
LEPA | W600-SA (600W) | 80PLUS | 556W |
Silverstone | SST-ST1000-P (1000W) | 80PLUS Silver | 508W |
ENERMAX | EPG600AWT (600W) | 80PLUS Gold | 494.9W |
Cooler Master | V750 Semi-Modular (750W) | 80PLUS Gold | 485.7W |
Cooler Master | V1200 Platinum (1200W) | 80PLUS Platinum | 474.5W |
※消費電力が低ければ低いほど省電力の性能は高い。
高負荷時最も消費電力が高かったのはLEPA製の80PLUS電源W600-SA (600W)、一番低かったのはCooler Master製のV1200 Platinum (1200W)となりました。
並びを確認すると消費電力の大きさは80PLUSの効率によって順当に並んでおり、80PLUS > 80PLUS Silver > 80Plus Gold > 80PLUS Platinumとなりました。
上記結果では80PLUS Goldと80Plus Platinumの差が小さく感じる方も多いでしょうが、本来80PLUS認証は以下の通りとなっており、50%台が一番効率のよい数値となります。
電源使用率/ 80PLUS |
80PLUS Gold |
80Plus Platinum |
10% | – | – |
20% | 87% | 90% |
50% | 90% | 92% |
100% | 87% | 89% |
V1200 Platinumの場合は1200Wと言う容量を持っているため、約600W台が一番効率のよい出力が行える電源となっており、約600Wを発揮し続けられる環境が一番適していると言えます。
今回検証に用いたPCではアイドル時約100W、負荷時500W台ということもあり、約600Wを発揮し続けるにはグラフィックカードの追加や、CPUのオーバークロックを行う必要性がありそうです。
恐らく600W台に近づけられればより省電力性能が上昇し、80PLUS Platinumが生きてくるかと思われるので、グラフィックカードの2枚挿し、3枚挿しは必須のように感じました。
総評
・数少ないハイエンドの80PLUS Platinum電源
国内では80PLUS Platinumの電源はまだまだ数が少なく、1200Wと言う容量を持ち、シングルレーンと言う電源は殆ど存在しません。
・7年間という長期なメーカー保証
7年間のメーカー保証がこちらの製品には付与されており、故障の際にはメーカー修理などの対応を受けることが可能です。
実売の価格で考えれば少々高く感じるかもしれませんが、7年間も保証が付随することを考えれば、間違いなく「損はしない」電源だと言えるでしょう。
・80PLUS Platinumを活かすにはSLI/CrossFireを
80PLUS Platinumでは負荷率が50%台の時に一番良い効率を発揮させることが出来るため、効率の良い状態を保つにはアイドル時で600W近い環境を構成する必要があります。
Core i7-3960X 定格 + GTX Titanと言った環境でアイドル時100W以下、負荷時500W台となるため、600W台を目指すにはSLI/CrossFireを利用し、負荷率を上昇させることが一番だと思われます。
・ケーブルの挿し間違えを少なくする印字
フルプラグインの電源で良くあることはケーブルの挿し間違え。
例えばCPU電源の4+4ピンは見る人によってはPCIEの6+2ピンに見える場合もあれば、電源側に挿す6ピンをPCIE電源と勘違いして挿し間違えたりと、様々。
しかしV1200 Platinumではケーブル先に「PSU」や「CPU」といった記述がされているおかげで、挿し間違いを最低限にすることが出来ます。
・V750 Semi-Modularより細かい部分が進化
V750 Semi-Modularでは使いづらく感じていたATX20+4ピンのツメや、セミプラグインのケーブルの保護、CPU用4+4電源ケーブルの追加など細かな部分がV1200 Platinumでは改良されており、上位モデルらしい出来栄えへと進化していました。
・驚くべき静音性
ハイブリッドコントローラーの搭載により、30%以下の負荷でファンが自動停止させることが出来、殆ど負荷を掛けない状態では無音(0db)で動作させることが可能です。
ハイエンド構成では忘れがちな「静粛性」をよく考えられた機能だと思います。
・Cooler Master: V1200 Platinum – Cooler Matser Japan 公式